年々工事件数は増えており、修理(リフォーム)方法としてはメジャーになってきています。
ただ、一言で「カバー工法」と言っても、カバー工法ができる場所は様々あり、場所によって工事にかかる費用や注意点は異なります。
カバー工法とは？
カバー工法とは、「既存の建材を撤去せずに、新しい建材を上から被せる工事」です。
住宅の屋根・外壁・窓サッシ・ドアなどで用いられることが多く、交換工事と比べると手間や撤去費用がかからないため工事全体の費用を安く抑えられます。
ただし、既存の建材の状態によっては、カバー工法が出来ない場合もあります。
【屋根】のカバー工法
■屋根カバー工法
住宅の屋根のカバー(重ね葺き)工事について
屋根のカバー工事は、一般的に塗装では状態が改善しないような状態の時に行ないます。
・屋根材の割れが全体に広がっている
・不良建材が使用されている
屋根のカバー工事には、100～250万円ほどかかります。(2階建て30坪の場合)
工事費用は新しい屋根材の種類によって変動します。
■屋根カバー工法相場
注意点施工できないケースがある
屋根のカバーは、雨漏りしている屋根には施工出来ません。
なぜなら、カバーしてしまうと、屋根に含まれた水分が屋根の内部に閉じ込められ、柱が腐朽してしまうからです。
そのため、雨漏りが発生しやすい築２０年以上経った屋根では、きちんとした点検が必要になります。
水が滴るほどでなく、天井に雨染みが付いている程度であってもカバーでなく葺き替え工事を行うことをお勧めします。
また、瓦屋根もカバー工法は出来ないので注意しましょう。
【外壁】のカバー工法
外壁のカバー工法について
外壁のカバー(重ね張り)工事は、屋根カバーと同様に
・外壁全体にひびが入っている。
・外壁が剥がれている、欠けている
などの塗装では直せない劣化がある場合に行ないます。
また、寒冷地では、断熱性を高めるためにカバーする場合もあります。
費用相場｜150～200万円
外壁のカバー工事の費用相場は150～200万円です。(2階建て30坪の場合)
ただし、お家の形が複雑だったり、グレードの高い外壁材を選んだ場合は200万円以上かかる場合もあります。
通気を確保して施工する
外壁のカバー工法で注意してほしいのが、通気の確保です。
新しい外壁材を上から張ると、湿気がこもり、内壁や外壁の表面が膨れてしまったり、ボロボロになってしまう場合があります。
そのため、新しい外壁を貼る前に、胴縁という木の柱を貼り、外壁同士の間に空気が通る隙間を作ってもらうことが大切です。
空気が通るように施工する方法を「通気工法」といい、反対に胴縁を付けず直に新しい外壁を重ねる方法を「直貼り(じかばり)工法」と言います。
中には直貼り工法でも問題ない場合もありますが、きちんと点検してからのご提案になります。
