モルタル外壁や窯業系サイディングのように、セメントが主成分の外壁では、ひび割れが劣化症状を知る重要な現象となります。進行すると雨漏れに繋がるなど建物にダメージを与える事になりかねないので慎重に見極めなければなりません。クラックが入る原因は、紫外線や風雨による経年劣化、地震や車の振動といった一般的に起こりやすい事柄や、地盤や建物のバランス・地域的な気候要因が絡んでいる場合があります。
苔・藻。カビの発生

モルタル壁や窯業系サイディングは水分を含みやすい為、コケや藻・カビの温床になりやく、これらの菌が外壁につくと見た目も悪くなり、外壁が常にジメジメした状態となり、基材を傷める原因となります。
苔・藻は水分のある所に繁殖し、カビは湿気の多いところを好みます。塗膜の劣化が進み防水性が弱くなると繁殖します。
苔

緑色。わずかな光でも光合成で栄養を取るため、薄暗い処でも繁殖します。水分が必要です。藻と区別しずらいですが、根付いて厚みが増す前に処置しないと、塗装工事で済まなくなり、基材を剥がして壁を作り替える大掛かりな工事となります。
藻
緑色、光合成で栄養を取る。湿っていて日の当たる場所で繁殖します。水分を必要とします。外壁につく藻は気生藻と呼ばれ、最初はうっすらと付きますが、次第に緑が濃くなります。外部から透けてうっすらしているうちに処置をしましょう。
カビ

黒色が多い。光が当たらない湿った場所に繁殖します。空気中の湿度が高いと活発になり、栄養になるものが必要なため、枯れたコケや藻を栄養源としていて外壁に広がると大変です。緑色と黒色が混じっているカビがある壁はこの様な状態からです。
クラック
クラックは幅と深さにより「ヘアークラック」と「構造クラック」に分けられます。クラックが活性する要因は様々ですが、塗膜劣化の場合は日当たりが良い場所に、振動による場合は窓のまわりに生じやすくなります。
■どうして外壁のヒビは起きるのか?放置の危険性とは?
ヘアークラック

■外壁クラックの種類
ヘアークラックは髪の毛ほどの細いクラックで、幅が0,3mm以下の物を指します。緊急性はありませんが、横に伸びたクラックは細くても塗膜内に水が入り込みやすく、水が浸み入ると膨れやすくなります。原因の多くは素地の膨張収縮によって亀裂を起こすモルタルの性質によるものです。
塗装工事が原因になることもあります。下地に塗った塗膜との相性が悪かったり、塗装時の素地の乾燥状態が適切でなかった場合などに起こります。
構造クラック

■外壁構造クラック
幅が0,3mmを超すクラックを「構造クラック」「貫通クラック」と呼ばれ、基材に深く入り込んで構造材に影響を及ぼす可能性が出ます。
軽量なクラックが進行して深くなる場合と建物の歪や不動沈下等に起因して起こる場合があります。クラックは水が建物内に侵入して建物の安全を脅かすことがあります。クラックが発生したら早めの補修をする必要性があり、補修方法は、Vカット又はUカット補修が一般的に行われます。