アスファルトシングル屋根とは!

アスファルトシングル屋根とは!

【目次】

❶アスファルトシングル(屋根材)とは
❷アスファルトシングルの施工方法
❸アスファルトシングルを施工する時の注意点
❹アスファルトシングル:メリット
❺アスファルトシングル:デメリット
❻アスファルトシングルの耐用年数
❼まとめ

❶アスファルトシングルとは

アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させたシート状の屋根材の事を指します。
アスファルトシングルが施工可能な屋根は切妻屋根・寄棟屋根・片流屋根の3種類です。
また、アスファルトシングルの施工に向いていない屋根はフラット型の屋根になります。

屋根の勾配は3寸5分(角度で言うと19°)以上であれば施工可能で、それ以下だとアスファルトシングルの施工は難しいです。

屋根の各勾配の説明イラスト

❷アスファルトシングルの施工方法

❷-1まずは下葺きとしてアスファルトルーフィングを準備します。

軒先側から貼っていき、10㎝ほど重ねていきます。
この時、棟部分にはルーフィングを多めに重ねておくことで雨漏りのリスクを減らせます。

❷-2屋根材にラインをつけて目安をつける。

❷-3屋根材を必要な長さ・必要な数カット

ラインをつけたら、アスファルトシングルを必要な数、適切な長さで切っていく必要があります。
アスファルトシングルはハサミやカッターなどで簡単に切ることが可能な屋根材です。

❷-4アスファルトシングルに接着剤を塗る

アスファルトシングルをカットしたら、貼りつける30分前にはシングルセメント(接着剤)を塗っておきます。

❷-5アスファルトシングルを貼り付ける

接着剤を塗り終えたら、軒先から順番にアスファルトシングルを貼り付けていきます。

❷-6貼り付けたアスファルトシングルは一枚につきシングルネイル(シングル釘)を4本打ち込んでいきます。

❸アスファルトシングルを施工する時の注意点

1.悪天候の日には作業しない
2.屋根の端は歩かない
3.屋根の特性を知った上で装備を考える

日本ではアスファルトシングルの施工技術のある業者は限られており、業者によって仕上がりにムラが出がちな屋根材のため、専門業者の選定には注意が必要です。

❹アスファルトシングル:メリット

アスファルトシングルの屋根には、主に以下の5つメリットがあります。

1.雨漏りを起こしづらい
2.屋根の下地が長持ちする
3.遮音性が高い
4.施工費用が安い
5.家を選ばず施工可能

メリット❶雨漏りを起こしづらい

アスファルトシングルは非常に耐水性の高い屋根材です。
耐水性が高い理由は、原料のガラス繊維とアスファルトが高防水性なことと、接着剤で貼るので屋根に釘等の穴が開かないことの2つあります。
このことから、住んでいて雨漏りが起きづらい屋根材と言えます。

メリット❷屋根の下地が長持ちする

1つ目と同じく、高い防水性からくるメリットです。
雨が降っても下地木材が濡れることが少ないため長持ちし、屋根材が耐用年数を迎えても下地の交換はせずに済む場合が多いのです。
下地は引き続き使える状態であれば、リフォームのときに「カバー工法」という安価な工事が選べるので、維持費の節約にもなります。

屋根のカバー工法とは屋根全体をリフォームする方法の一つで、既存の屋根にそのまま新しい屋根材を張りつける工法です。
古い屋根材を剥がしてから新しい屋根材を張る「葺き替え」よりも工事費用が安いことがメリットですが、下地の劣化が進んでいる場合は工事ができません。

メリット❸遮音性が高い

アスファルトシングルの表面には、細かく砕かれた石粒が吹き付けられています。
これにより、雨が当たっても分散され、雨音が屋根裏や室内に響きにくい屋根材と言えます。
反対に、トタンやガルバリウムのような金属屋根だと、雨音がよく鳴るためよく響くことがあります。

※現在は、耐久性をもったガルバニウム鋼板に石粒を吹付ではなく、特殊な方法で超高温溶着をした屋根材(ディーズルーフィング)も販売されています。

メリット❹施工費用が安い

アスファルトシングルの施工費用は、他の屋根材と比べても比較的安い部類に入ります。
具体的にはもっとも安価なスレート屋根とほぼ同程度の価格です。

メリット❺家を選ばず施工可能

アスファルトシングルの施工は、100cm×30cmほどのシートを屋根に敷き詰めていく工事になります。
そのため、他の板状の屋根材よりも融通が利きやすく、屋根の形や傾きに左右されることが少ない屋根材と言えます。

❺アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルには多くのメリットがある一方で、以下の4つのデメリットも存在します。

1.強風ではがれることがある
2.コケや藻が生えやすい
3.勾配がゆるい屋根には向かない
4.表面の石粒が剥がれ落ちてくる

デメリット❶強風ではがれることがある

アスファルトシングルの屋根は、シート状の素材を接着剤で貼り付けて作られているため、他の屋根材より風でめくれたり剥がれたりしやすいという難点があります。
そのため、万全につかい続けるためには5年おきを目安に業者による屋根の捲れ・はがれの点検(1回2~3万円)を推奨。

デメリット❷コケや藻が生えやすい

アスファルトシングル屋根の表面は、道路のように凸凹のあるザラザラした仕上がりになっています。
そのため雨が降ったあとも流れていきにくく、凹凸に多少の水の滞留が発生します。

コケや藻は乾かず水分が残った面に生えやすいので、この条件に当てはまるアスファルトシングルはコケ・藻が発生しやすいでしょう。
屋根の美観の維持・回復のためには、高圧洗浄や塗装などのメンテナンスが必要です。

デメリット❸勾配がゆるい屋根には向かない

前項の水分が滞留することからくるもうひとつのデメリットです。
アスファルトシングルは、最低限の水はけを確保するために低勾配の屋根では施工ができないことがあります。
具体的には、ほとんどの製品に共通して3.5寸~27.5寸(約20度以上70度以下)が標準勾配に指定されています。

デメリット❹表面の石粒が剥がれ落ちてくる

アスファルトシングル屋根の表面には、細かい石粒が吹き付けられています。
石粒が吹きつけのため、経年劣化で剥がれた石粒が軒先からポロポロと落ちてくることがあります。

デメリット❺施工可能な屋根は切妻屋根・寄棟屋根・片流屋根の3種類

施工可能な屋根は切妻屋根・寄棟屋根・片流屋根の3種類です。

❻アスファルトシングルの耐用年数

アスファルトシングルの耐用年数は20~30年が目安です。
これは、主要な屋根材の中ではやや短めの部類になります。

屋根材の名称(種類) 耐用年数の目安
アスファルトシングル屋根 20年~30年
スレート屋根 25年~30年
トタン屋根 10~20年
ガルバニウム鋼板屋根 30年~40年
陶器瓦屋根 50年以上

❼まとめ

アスファルトシングルは、安くて防水性も高い、優れた屋根材です。
デザインが気に入れば、理想的な屋根材と言えるでしょう。
しかし、弱点として強風によって剥がれが起きる場合があり、そこから雨漏りにつながったりします。
安く、長く使い続けるためにも、5年を目安にマメな剥がれの点検を行った方が良いと思います。

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■超高耐久性屋根材・ディーズルーフィングってどんな屋根材?

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